2017年11月5日日曜日

プラトン著「パイドン」 4

昨日の続き。魂の不死を説くソクラテスに対して、ケベスは、何度も輪廻転生を繰り返した魂は、いつか消滅するのではないかと反論した。つまり、魂は不死ではないと。それに対して、ソクラテスは次のように言う。引用する。

「魂は、自分が常にもたらすもの[生]とは反対のもの[死]を、けっして受け入れないのではないか」

ソクラテスの言う魂は、正確に言えば、魂のイデアのことのようである。ソクラテスは、非偶数のイデアが、偶数のイデアを受け入れないように、魂のイデアは、死のイデアを受け入れないと言っているようである。したがって、魂は不死であると。

これは、どうであろうか。魂が不死であることは、定義であると言っているのと変わりがないように思う。定義であるのであれば、それは、証明されて当然のことであろう。果たして、プラトンの記述するソクラテスの言論に、それ以上の価値があるのかどうかは、ぼくには解らない。

どちらにしても、プラトンの記述するソクラテスが、魂は不死であると考えていたことには変わりがない。「ソクラテスの弁明」でのソクラテスは、魂が消滅することはあり得ると言っていたように思うので、この「パイドン」でのソクラテスとは、立場が微妙に異なるようではある。