2018年1月2日火曜日

アリストテレス著「ニコマコス倫理学」 30

アリストテレス著「ニコマコス倫理学」を読み進めている。下巻の130ページ程度まで、読み進めた。

アリストテレスは、獣的な性向というものがあると言う。

「これはたとえば、妊婦の腹を引き裂き、なかの胎児を喰らうと言われる女の性向や、生肉や人肉を好物とし、子どもたちを御馳走として提供しあうと言われる黒海付近の野蛮な種族の性向、さらにはまたファラリスについて伝承されている逸話のことである」

さらに、アリストテレスは、限定抜きに抑制がないことと、単に抑制がないことを区別する。

「獣性の場合がそうであるように、陥っている性向がこうしたもののうちのどれに由来しようとも、その性向は悪徳の範囲の外のものとなる。そしてまた、そうした人が自らの性向に打ち勝ったり屈したりしても、それは、限定ぬきに抑制がないというのではなく、ただ単に類似性によってそう言われるのである。それはちょうど、激情にかんしてそういった性向をそなえた人は、その激情という状態にかんして抑制がないだけであって、ただ単に抑制がない場合とは異なるのと、同じことである」