2018年1月3日水曜日

アリストテレス著「ニコマコス倫理学」 31

アリストテレス著「ニコマコス倫理学」を読み進めている。下巻の140ページ程度まで、読み進めた。

アリストテレスは、欲望にかかわる抑制のなさは、激情にかかわる抑制のなさより醜いものであると言う。それは、激情は或る意味では分別に従うが、欲望は分別に従わないからであると言う。

そして、獣性について次のように語る。

「獣性は悪徳と比べていっそう悪いものではないが、いっそう恐ろしいものである。なぜなら、人間の場合のようにより善い部分が損なわれているのではなく、獣はそもそもそうした部分をもち合わせていないからである。それゆえ、獣性と悪徳を比べてどちらがいっそう悪いのかを問題とするということは、無生物と生物を比べるようなものである」

また、抑制のなさについて、次のように語る。

「抑制のなさには「衝動」によるものと「弱さ」によるものがある。すなわち、弱さのために抑制のない人は、思案したのに、感情に駆られてその思案した結果にとどまれず、またそのときの衝動のために抑制のない人は、思案しなかったために感情に突き動かされる」