2018年1月4日木曜日

アリストテレス著「ニコマコス倫理学」 32

アリストテレス著「ニコマコス倫理学」を読み進めている。下巻の150ページ程度まで、読み進めた。

アリストテレスは、放埒な人は癒しがたく、抑制のない人は癒すことができると言う。

「放埒な人とは後悔しない人である。というのも、放埒な人は自らの選択に留まるからである。これに対して、抑制のない人ならば、みな後悔することが何かある。したがってこれは、われわれが先に挙げた難問のような事情の逆であり、放埒な人は癒しがたく、抑制のない人は癒すことができるということである」

そして、抑制のなさと悪徳は別物であると言う。行為者は、悪徳には気づかないが、抑制のなさには気づくからである。

アリストテレスは、抑制のある人と頑固者は似たところがあると言う。しかし、この両者には多くの違いがあると言う。

「抑制のある人は、感情と欲望によって信念を変えることはなくとも、場合によっては容易に説得されるのに対して、頑固者は分別によって信念を変えることがない代わり、欲望に囚われるならばかれらの多くが快楽によって突き動かされるからである」

また、抑制のある人と節制の人は、身体的快楽によって分別にそむいて何かしでかすことのない人であるという点では同じであるが、前者は欲望を抱いているのに対して、後者はそうではないという点で異なると言う。