2018年6月15日金曜日

脳科学主義は正しくない

以前も似たようなことを書いたことはあるが、脳科学主義は正しくない。脳科学主義は、脳が心を生み出すと言う。これは、留保付きで正しいかもしれない。それは、脳科学主義は、何故この脳が、この私であるかについて答えられないということである。

他者の脳も自分の脳も同じようなものである。この私を示すIDのようなものは、記されてはいないであろう。それともそのIDのようなものは、存在しているのであろうか。もしそうであるとすれば、脳科学主義は見直されなければならない。しかし、常識的な考えでは、そのようなIDは存在しない。常識的な考えでは、例えば、遺伝子的に同一である自分のクローンは、そっくりな他者である。

脳科学主義の否定の結果、現れて来るのは、この私があって、脳がある、といった唯心論や独我論である。独我論はある意味では正しい。他者の意志はある意味では「無い」のであるから。唯心論は、他者の意志を仮定することによって導かれる結論である。それは正しいことであり得る。

否定されるのは、ある種の科学や脳科学であって、すべてのそれらではない。この私があって、脳がある、それは認める、そこから科学を始める。そのような科学は正しい。科学は大切なものである。それは否定されない。